『“DATE“な形成外科医を目指そう!』は、東北大学形成外科学教室のスローガンです。"DATE"(伊達)とは、Doctors Acting for Tohoku Evolutionの略で、東北地方の形成外科診療をevolutionさせ、東北から全国そして世界へ知見を発信し形成外科をevolutionさせる、という我々のビジョンでありミッションを示しています。そして、医局のロゴにも、"DATE"の文字と独眼竜 伊達政宗の兜を象徴する三日月があしらわれています。
形成外科に興味がある君!
もし、君が本気で形成外科医を目指すなら、私達と一緒に形成外科の世界でDATE者を目指しませんか。
形成外科は臓器を持たない診療科ですが、臓器にとらわれない自由さがあります。その自由さが形成外科という診療科を分かりにくくしているのかもしれません。形成外科はその名の通り「形を成す」外科系診療科です。私達は、全身を対象とし「形を読み、形を創る」ことで形態が持つ機能を回復し、整容性・審美性を回復することを目指しています。
東北大学形成外科では永きにわたり東北地方の形成外科診療を支え牽引してきました。その実績と歴史によって、豊富で領域が限定されない多彩な臨床症例や、患者からの厚い信頼という大きな財産・強みを持っています。また、東京から離れた東北大学は競争や時流に左右されない自由な気風を持っていることも強みの1つと考えています。しかし、これらは弱点にも繋がり、症例数・領域の広さは臨床の負荷の大きさを示し、厚い信頼と競争の少なさは「井の中の蛙」になりかねず、慢心や保守的で古典的な治療から脱却できないリスクを持ちます。私達はその弱点に陥らないように、強みと弱みを自覚し、強みを活かした診療体制を構築し、弱みを補うためにいろいろな教育イベントや国内・国外留学を進めています。また、先代の教授が築いてきた基礎研究の礎をもとに、東北から形成外科を”evolution”させる発信をできるようにさまざまな研究プロジェクトを始動しています。詳しくは研究紹介ページをご覧ください。
東北地方では未だに形成外科の数は少なく、その恩恵を受けられない患者様も多くおられます。東北大学形成外科としては、単に専門医資格を得られるだけの研修ではなく、東北地方の形成外科を背負っていける真の実力ある形成外科医を育成することを目標にし、専門医取得を優先する「専門医取得コース」と、専攻医2年を終えた時点で博士号取得を目指し大学院へ入学する「アカデミアコース」を準備しています。
東北大学形成外科専門研修プログラムの特徴は、偏りのない豊富な疾患を経験でき、豊富な執刀経験を積めることです。大学院へ進学した場合は専門医取得が遅れるかも知れませんが、並行して十分な臨床経験を積むことが可能です。もちろん、専門研修のみでなく、東北大学で形成外科を含めた初期研修から参加することも可能です。
形成外科専門医を取得するためには初期研修後4年間の形成外科研修が必要です。つまり受験資格は最短で専門研修(後期研修)5年目に得られます。その間に学会が指定した8分野の手術経験300症例の経験と、学術論文を1編発表することが必要となります。東北大学形成外科専門研修プログラムに加わっている1基幹施設、12連携施設では、年間8,000例を優に超え9,000例に迫る症例数を有しています。また、指導医は全体で20名以上おり、各施設に必ず属し専攻医の指導を行っています。これはプログラム全体で28人以上の専攻医を受け入れ可能な指導環境です。私達は一人一人の専攻医に十分な指導と症例を経験してもらうために、一年次に受け入れる専攻医を5名までとし、全体で20名以内とするようにしています。
形成外科の基本を知ってもらうと同時に、将来目指すべき高度な形成外科診療を体験してもらえるように1年目のプログラムを組んでいます。2ヶ月ずつ大学の3つの専門チーム(再建、頭蓋学顔面、創傷・血管腫・眼瞼)に属しながら、毎月1回の勉強会を行なっています。また、毎週の抄読会にて最新の論文に目を通し常に知識のアップデートを図っています。毎週の臨床カンファランスでは、前週手術の患者の術式をみんなの前で説明し、次週の手術患者をプレゼンします。このことで一合一会の症例を大切に学んでいきます。
また、宮城県内の学術集会にて演題を発表してもらいます。
この時期は、原則東北大学形成外科で6ヶ月研修ののち、より一般的な症例が豊富な連携施設病院に移行します。
連携施設病院での研修が主になります。大学に所属していたときより患者を身近に感じ、自ら治療に関わることが多くなります。形成外科医は、身近なところでいえば「傷の専門家」です。まずは縫合をはじめとする傷の管理を学びます。また良性腫瘍切除などの小手術を多くこなし形成外科的基本手技を身につけるとともに、植皮などの基本手技を確実に習得してもらいます。大学と違い、多くの症例を経験することになるでしょう。学会発表もレベルを上げ、東北地方会等での発表の機会が与えられます。また、大学在籍時に経験した症例について論文作成を行います。大学から離れても大学の指導医が論文指導を行いますので安心してください。
大学院への入学試験は2年次の8月にあります。それまでに大学院へ進学するか、4年間での専門医取得を目指すか、決めていただきます。
「アカデミアコース」で大学院へ進学した場合は下記の【大学院入学・学位取得】をご覧下さい。「専門医取得コース」を進むと、2年目とは異なる疾患群が経験できる連携施設に移動し専門医研修を継続します。施設によって透析のシャント術でマイクロの手技を習得できたり、顔面や手の外傷を多く経験したり、地域医療における形成外科の必要性を学びます。多くの連携施設で「何でも出来る形成外科医」として活躍している指導医の姿を目にする事ができるでしょう。最後の1年は宮城県がんセンターや仙台医療センターの手外科センター、宮城県こども病院、東北で最も多くの乳がん治療を行っている東北公済病院といった専門性の高い施設で自身の専門性を磨いていただきながら、専門医試験へ向けた勉強と準備を行います。学会発表も北日本形成外科学会や全国学会への発表を目指しましょう。
あなたは多くの症例を経験し、300症例も十分満たしていることでしょう。そして、論文も執筆し、専門医師試験に必要な10症例を立派に揃えているはずです。東北大学専門医プログラムではすべての専攻医の先生に、毎年1月の同門会で、その時点での10症例候補を発表してもらっています。そのため、十分に準備・議論された症例で申請することが出来ます。あとは専門医試験受験を受けるだけです。
東北大学形成外科では、専攻医2年を終えた時点で博士号取得を目指し大学院へ入学する「アカデミアコース」と専門医取得を優先する「専門医取得コース」に分かれます。アカデミアにスタッフとして在籍するためには博士号が必要です。しかし、大学院に入ると2-3年ほど専門医取得時期が遅れる可能性があります。大学院中にはアルバイトでの収入が得られるようにしっかり配慮しますが、そのために形成外科教室で養える大学院学生の数は各学年2名までを原則とします。その枠に満たない場合やご自身で生活費をまかなえる場合は、専攻医2年次以降に博士号取得を希望される方の入学も可能です。大学院で研究するテーマは本ホームページ上の研究テーマにて紹介していますが、それ以外にも取り組んでいるテーマがあります。希望者は教授と相談のうえテーマを定めて、前年度8月(一次募集)と翌年1月(二次募集)にある大学院入学試験に臨むことになります。
専門医を取得した後は一人前の形成外科医として、個々の希望にそって活躍していただきます。関連病院(連携施設)にて形成外科のgeneralistとして活躍する道、専門性の高い施設のスタッフとして分野専門医やサブスペシャリティーを目指す道、大学スタッフとして選んだ専門分野のスペシャリストとしてキャリアを磨く道、独立してクリニックを開業する道など様々です。専門医は5年ごとに更新が必要で、1回更新した専門医は日本専門医機構の定める指導医になります。指導医は関連施設の科長候補となります。
仕事と育児の両立は非常に難しい問題です。医局では、みんなで協力して産休や育休時のバックアップを行ったり、希望により時短勤務や定時帰宅・当直免除などの対応をしたりすることで、出産・育児を行いながらも安心して仕事が継続できる環境を共に作っています。東北大学病院には星の子保育園という職員用の保育園があり、病院内には病児保育室も完備されています。他の連携施設にも併設の保育園や病児保育が可能な病院もあります。出産・育児に際して一人一人置かれた状況は異なります。相談しながら、可能な限り状況に応じた適切な施設で研修を行えるように配慮しています。出産や育児により、専門医取得に必要な症例数を経験するのに時間を要することもありますが、専門医取得を希望する医師全員の努力が報われるように支援していきたいと考えています。女性・男性関わらず、医局員皆それぞれが生き生きと活躍できる医局を目指しています。
専門医研修施設名 | 所在 | 採用身分 | 施設役割(2024現在) |
---|---|---|---|
東北大学病院 | 宮城県 | 医員 | 基幹施設 |
仙台市立病院 | 宮城県 | 医員 | 連携施設 |
宮城県立がんセンター | 宮城県 | レジデント | 連携施設 |
独立行政法人国立病院機構仙台医療センター | 宮城県 | 医員 | 連携施設 |
宮城県立こども病院 | 宮城県 | 医員 | 連携施設 |
東北公済病院 | 宮城県 | 医員 | 連携施設 |
大崎市民病院 | 宮城県 | 医員 | 連携施設 |
石巻赤十字病院 | 宮城県 | 医員 | 連携施設 |
みやぎ県南中核病院 | 宮城県 | 医員 | 連携施設 |
坂総合病院 | 宮城県 | 医員 | 連携施設 |
岩手医科大学病院 | 岩手県 | 医員 | 連携施設 |
平鹿総合病院 | 秋田県 | 医員 | 連携施設 |
山形県立新庄病院 | 山形県 | 医員 | 連携施設 |
竹田綜合病院 | 福島県 | 医員 | 連携施設 |
お問い合わせはこちらから
(注: 疾患などのご相談は、こちらのフォームからはお受けできません。)